「今年の戦略はこれだ」
「中期経営計画、出しました」
「方針は全社に共有済みです」
──なのに、現場は今日もバタバタしている。
戦略は“ある”のに、なぜか“効いていない”。
この違和感の正体こそが、戦略アラインメントの問題です。
もっと噛み砕くと、経営と現場がちゃんと接続されていない。
この記事は、
「戦略アラインメントって結局なに?」
「なぜ経営と現場はズレるのか?」
この問いに答える文章です。
なぜ「翻訳」がないとズレるのか
まず、経営と現場は見ている世界が違います。
この2つは、同じ会社にいながら言語が違う。
経営が語る「成長戦略」は、
現場にとっては「で、明日なにすればいいの?」になりがちです。
ここで起きる典型的な事故がこれ。
- 経営:「選択と集中だ」
- 現場:「仕事増えたんですけど?」
- 経営:「顧客価値を最大化せよ」
- 現場:「どの顧客に?どの業務で?」
戦略アラインメントとは、
「方向性を揃えること」ではありません。
抽象を具体に落とし、行動に変換することです。
つまり、
- 戦略 → 判断基準
- 方針 → 優先順位
- ビジョン → 日々の意思決定
ここまで落とせて、初めて“アライン”したと言える。
うまくいかない会社の例
ある会社で「高付加価値路線にシフトする」という戦略が出ました。
ところが現場では、
- 値引き交渉は続行
- 既存顧客対応で手一杯
- 新しい挑戦は後回し
なぜか?
「高付加価値」が行動レベルに翻訳されていないから。
- 値引きしていいの?ダメなの?
- どの顧客を優先するの?
- 今のKPIは変わるの?
これが曖昧なままだと、
現場は「とりあえず今まで通り」を選ぶ。
だって、それが一番安全だから。
うまくいく会社は何をしているか
一方、戦略が機能している会社はこうしています。
- 戦略を「やらないことリスト」に落とす
- 現場の判断基準を明文化する
- マネージャーが“翻訳者”として動く
例えば、
「高付加価値路線=価格交渉には応じない顧客を優先する」
ここまで言語化されて、初めて現場は動ける。
戦略アラインメントとは、
スローガンを配ることではなく、判断を配ることなんです。
経営と現場をつなぐのは、戦略ではなく“翻訳”である。
戦略が伝わらないとき、
つい「現場の理解が足りない」と言いたくなる。
でも実はその前に、
- 行動に落ちているか?
- 判断基準になっているか?
- 優先順位が変わっているか?
ここを疑うべきです。
もしあなたが経営側なら、
「この戦略、現場の1日の行動にどう影響する?」と問い直してみてください。
もしあなたが現場側なら、
「この方針、判断に使える形に言語化されている?」と確認してみてください。
戦略アラインメントは、
一発で揃う魔法ではありません。
翻訳し続ける地味な作業の積み重ねです。
でも逆に言えば、
そこさえ押さえれば、
戦略と現場はちゃんと噛み合う。
「あ、これ自分の会社だ」
そう思ったなら、
まずは“翻訳されていない言葉”を探すところから始めてみてください。
